クイズ番組で歴史ねつ造? TBSに関係者激怒!

ま た T B S か 。 。 。 。

 TBSの歴史クイズ番組で、戊辰(ぼしん)戦争の会津若松城に関し史実と異なる問題を出したとして、会津若松市がTBSに抗議文を送る騒動が起きている。クイズでは旧幕府軍が城を渡した原因を「糞尿」と決めつけられたため、白虎隊の末裔たちは“この前の戦争”の怒りが再燃。フンまんやるかたない様子だ。

 「事実をきちんと踏まえず、視聴者に誤解を与える報道とはいかがなものか。そうした問題に一石を投じるためにも抗議をすることにした」

 会津若松市の菅家(かんけ)一郎市長は、28日の記者会見で、TBSへの強い不快感をあらわにした。

 問題の番組は2月16日放送の「歴史王グランプリ2008まさか!の日本史雑学クイズ100連発」。ロンドンブーツ1号2号が司会、久保純子が進行を務め、タレント、文化人ら20人が解答者として出演した。

 そのなかで、若松城について「旧幕府軍が城を明け渡したとんでもない理由とは」との問いに対し「糞尿が城にたまり、その不衛生さから」が正解と放送された。

 抗議文では、会津藩が城を明け渡した理由について、他藩からの応援の望みが絶たれたことや、1カ月の籠城による傷病兵の増加、物資の枯渇など、さまざまな要因が重なったため、と説明。糞尿問題が、すべてであるかのように放送したことは「視聴者に著しい誤解を与える」とTBSに訂正と謝罪放送を要求している。

 じつは、抗議は今回が初めてではなかった。

 放送前、番組の制作会社から会津若松市の観光公社に「戊辰戦争の際、城内にはどのくらいの数のトイレがあったのか」と問い合わせがあり、質問の理由を聞いた担当者らが「それは史実と違う」と放送中止を申し入れていたのだ。

 だが「収録も終わり編集できない、と言われた」(同市観光課)と地元のアピールを無視した形の放送となった。

 この騒動、専門家はどう見るか。

 幕末の会津藩に関する多数の著書があり、会津史学会の会員でもある直木賞作家の中村彰彦氏=写真=は「そんな放送をされたら、多くの人が亡くなったあの戦争が、糞尿譚や尾籠な笑い話になってしまう。死者を冒涜する曲解ですよ」と断言する。

 中村氏は、5000人が籠城した戊辰戦争経験者の回想録の一部に「籠城中、持ち場から離れられず、厠に行けなくて野糞をする人もいた。それを踏んで転んだりと、始末に苦労したといった記述はある」と解説。

 その上で「約10万坪の敷地がある若松城は、深いお堀に囲まれ、糞尿だって始末はできた。それだけで降伏をしたなんて、あり得ない話で、あまりにも史実の曲げすぎです」と指摘する。

 放送前に市側が、制作会社に糞尿話の引用先をたずねると『戊辰戦争速記録』という歴史書の名を挙げたというが「そんな本は聞いたこともなく、そんな史料をあげること自体が、おかしい」と中村氏は失笑する。

ZAKZAK 2008/03/29

http://www.zakzak.co.jp/gei/2008_03/g2008032906_all.html